エアキャスターのサイズ選定方法

1.搭載する製品の総荷重、外形寸法を明確にする。

2.カタログより仕様するエアキャスターの形式を仮決定する。

  • 型式を決定する際、小径のキャスターを多い枚数で使用するより、大径のキャスターを少数で使用するほうが安定感は増します。
    例:積載荷重 Wmax=5000kg

    キャスターにかかる荷重

  • K12Nの場合(許容荷重:910kg)
  • W=5000/6=834kg<910kg
  • K15Nの場合(許容荷重:1590kg)
  • W=5000/4=1250kg<1590kg
  • この場合、K15Nを選定するほうが良い。

3.カエアキャスター間と重心までの高さの関係を求める。

  • キャスター間の距離に対し、重心高さは1.5倍に収まる状態が最良となり、それ以上となる場合は、キャスター間を広げてください。
  • 以上にて、簡易的に使用キャスターを選定できます。

搬送物への固定方法による選定

エアキャスターの固定方法を選定する際に、重要になってくるのは交換が発生した際の作業性となります。固定マウントタイプを選定した際、交換し辛くなってしまうなどの問題が発生するので注意が必要です。

1.搬送物にエアキャスターを固定する必要が無い時

搬送物に据付用の足などが用意されており、エアキャスターを固定する必要が 無い時などは、固定マウントタイプのロードモジュールを選択し、移動するときにロードモジュールを下部に差込使用する方法が適しています。

2.搬送物が軽量、またはジャッキアップできる場合

搬送物にジャッキアップできるような強度や場所が確保されている場合は、固定マウントタイプ、スライドマウントタイプのどちらでも問題はありません。その様な場合は、ランウェイの状態によるトラスバックの損耗度によって使い分けることが大切です。

3.搬送物にエアキャスターを固定したい時

搬送物にエアキャスターを固定する必要があるときには、極力スライドマウントタイプを選定してください。また、その際はエアキャスターを引き出せる方向に十分なスペースが必要となります。

駆動装置の必要性の判断

牽引力は、摩擦抵抗×積載重量にて求めることを記載いたしました。
エアキャスターシステムを使用した際の標準的な摩擦抵抗は5/1000となります。(ランウェイの状態により変動しますが、この数値に収まるようにするのが最適な使用環境です)また、人が物を押す力というのは1人あたり50kg程度なので、一人で運べる積載重量:Wmaxの理論値は

  • 積載荷重 Wmax=(50×1000)/5=10000kg

となりますが、経験上では1人で安全に運べるのは5ton程度と考えています。
それは、緊急停止を求められた際に安全に停止させられる重量ということで見込んでいます。
よって、積載重量が5ton以上あるような場合は、作業員数の確認をし、その他、ランウェイの状態(表面の状態や勾配の有無)などを考慮し駆動部が必要かを検討する必要があります。